2014年2月11日火曜日

清水財閥

 国境を越えて活躍する日本随一の大企業だが、その起源は出羽地方の農村である。

 当主の清水賢一郎は地主の出身で、僧侶の神前寺鳥海らと共に農民運動の指導者であった。日共滅亡後、東京政府の援助によって財界に転身し、多くの仲間もその社員となった。以後、出羽県のインフラ整備を起点に、内戦特需も手伝って巨万の富を得、県外そして国外にまで進出する財閥に成長した。

 東京政府との協力関係から「政商」と批判される事もあるが、賢一郎の清廉な人格に基づく経営方針のお蔭で、不正な取引などとは無縁である。

 清水家・神前寺家の子らは現在、東京市渋谷区の七宝院学園に通っており、地学部に所属して青春を謳歌している。彼女達の人生を見届ける事は、賢一郎にとって金儲け以上の喜びである。

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