2015年1月29日木曜日

十三宮聖

十三宮聖
救世菩薩
―底なし沼に聖者あり―

 日本国教会司教・十三宮家棟梁。仁の姉で、勇とは双子。

 数多くある天主教会のうち、ギリシャ神話など多神教の影響が特に強い宗派の一つが、ギリシャからシルクロードを通ってインド・日本に伝えられた。それが十三宮派(アスクレピオス派・蛇遣い派)であり、その教義を伝道・継承して来たのが十三宮家である。古くからコンスタンティノープル教会に属していたが、異端視される事が多く、日本国内でも長く迫害されていた。

 日共時代には、十三宮勇と共に静岡県(現在の駿河県)伊豆半島の隠れキリシタン勢力に匿われ、「預言者」として堀越碧須崎優和らに保護されていた。

 七月革命(光復元年)で信教の自由を掲げる日本帝国が成立したが、妹の十三宮仁が生まれた直後に両親が帰天し、若くして十三宮家の棟梁(頭領・当主)になった。洋の東西を越えた宗教知識を持つ十三宮家は、欧化主義政策を進める東京政府から優遇され、堀越・須崎らの工作によって、日本国教会の一派として国家権力からの保護を受ける事に成功した。天主教と日本の民族宗教(神社信仰)を習合した国教会の教義には、十三宮派の思想を参考にしている部分も少なくなく、十三宮教会は「異端」から「国教会正統派」への転身を果たした。しかし、政府からの資金援助は限られており、教会で働きながら帝都教会附属神学校に通うなど、多忙・勤労・節約の日々に追われた。

 東京市大森区に在住しているが、第二次埼京戦争(15年)によって東京政府が星川軍閥支配下の北武蔵県浦和市を租借した後は、浦和にも別荘を兼ねた教会堂を建てた。これにより、軍閥の指導者である星川初や、彼女の側近にしてキリシタンでもある上杉橄欖と密接に関わるようになった。

 17年、初の娘である星川結が大宮から脱走し、十三宮教会に「亡命」を求めるという事件が起きた(浦和騒動)。聖は結を保護すると共に、彼女を武力で奪還しようとする上杉との交渉を試み、密かに戦闘準備も進めていた。星川側でも、岩月愛小田皐月らが平和的解決を目指して行動したため、衝突は回避された。初は結の「家出」を本人の成長のために認め、聖に彼女の世話を頼んだ。聖はこれ快諾し、結を義妹として育てる事になった。また、上杉と対立して大宮から追い出された岩月ら太田騎士団を教会守護に雇った。

 翌18年、下谷区上野公園で日共残党による大規模テロ事件(上野戦争)が発生し、聖は被害者救出、勇は反乱軍討伐にそれぞれ活躍したが、戦禍が拡大する中で勇が行方不明となり、以後は一人で十三宮家を支えている。

 学生時代から「国教会司祭」を称していたが、十三宮家棟梁としての尽力は、国教会法王である光復帝雲母日女からも高く評価され、若くして司教に任じられた。

 信仰心・修学意識ともに非常に強く、暇あらば古典を読んでいる。特に先祖代々からの解明課題である十三宮派については、寝る間を惜しんで研究している。

 一神教やユートピア思想が、結果的に多くの人々を殺害する政策に利用されてきた歴史の教訓から、極端な原理主義を避け、世界宗教と各国の民族宗教が共存する事によって、宗教の違いに起因する戦争を根絶できると信じている。好きな文章は『教育勅語』。

 良妻賢母なお姉さんで、仁や結に対して母親のような愛情を注いでいるが、年下の者を溺愛し過ぎる傾向もある。

 本人の口から説明される事は少ないが、周囲の人々からは普通に「霊能力者」だと思われている。結曰く、他人の心を読む能力を「常時発動」しているほか、怒ると相手を金縛りにしたり、悪夢を見せたりできるらしい。更に、死者の霊魂を召喚するシャーマンでもある。いつもパワーストーンを身に付けており、そこからエネルギーを得ているという。

 特定の政策を神の名において正当化する事は神を貶める行為だと考えており、上述の迫害の歴史や自身の「特殊能力」の事も踏まえ、国教徒という立場にありながら穏健な政教分離(法王たる日本国皇帝の祭祀儀礼は良いが、宗教団体の政界進出には反対)を主張している。但し、生命倫理など人間の尊厳に直結する問題には積極的に発言し、特に臓器移植や妊娠中絶への反対運動で有名。同様の理由で死刑廃止論者であり、「復讐感情に憑かれて殺人犯への極刑を望む遺族は、相手の死を悦とする点で殺人犯と同じ」と主張している。温厚な性格とは裏腹に、思想的には「敵」も少なくない人物。もとより、意見や利害が異なる相手にも隣人愛を以て接する立場に変わりはない。

 十三宮聖を象徴するタロットカードは13「死」と言われる。石神遣いのシャーマンであるため、霊石(パワーストーン)を操って戦う。キャラ自体の属性は空(防御力増加)だが、使用する霊石に応じて更に属性が付加される。
  • 青玉(サファイア):水属性
  • 紅玉(ルビー):火属性
  • 翡翠:風属性
  • 黒瑪瑙(ブラックオニキス):地属性
このほかにも、修練を積む事で古今東西の様々な魔術を使えるが、心身への負荷が大きいため乱発は禁物。その最たるものが死者蘇生であり、これを発動すると代償として自分が危篤状態になる。不殺生戒があるため、如何なる敵にもトドメは刺さず、戦場においては敵味方を問わず負傷者を救護する(それが認められない兵役・従軍は拒否する)。

 家族の一員と認めた者(主に年下)に「十三宮」という苗字を与えており、『Planet Blue』シリーズの主人公(プレイヤー)もその一人である。自分の事を「お姉ちゃん」と呼ぶように迫って来る上、添い寝や混浴を強要するなど、甘々な姉弟関係を築いている。

依央りせ

青野充

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