2014年12月23日火曜日

イオン マリカ

狂気に寄り添う虚無の魔
 樹下の傍らにて控える西洋人の屈強な男性。冷戦後、東ローマ(ダキア)からロシアを経て日本に亡命し、将来再起を図る日共左派に参画。組織内での階級は「ルーク」(チェスの城将、将棋の飛車に相当)、「プロレタリア独裁の執行組織の敵対者排除者」。

共産主義国の末路
 東ローマの政権転覆による政治・経済的混乱で常識全てを壊されてしまい、ロシアに賃金労働者として流入。外国人である事を理由に微罪で囚われたが、そこでスパイとして囚われていた林鵬と出会い、彼と脱獄。ソビエト ボルシェビキ党最強硬派地下組織の女アーニャ オレゴヴナ ブブノワ(実はバルト ドイツ人で第三帝国残党)の手引きで日本列島に渡り、林鵬と取引した樹下進のガードマンを陰ながらに務めていた。そして、その実験体ともなって強化され、新日共軍「ルーク」の称号を冠してその役割を十二分に果たした。ブブノワと共に東西両陣営戦時下の山陽周辺で実験台探しに暗躍、後に樹下が潜伏する北陸奥に移った。

自由を目指した挙げ句の産物
 平泉の戦いにおいてはたった一人の部隊「オンリー フォース」と名乗って東京政府軍の樹下暗殺部隊を抹殺、特殊部隊員の千切られた首を東京政府軍の陣地に手製のカタパルトで投げ返して宣戦布告の代わりとした。若い徴募兵や津波で絶望した青年からなる後備兵を励ましながら率い、星川軍や東京政府軍を退けた。しかし、脚に怪我を負って動けない星河亜紀に止めを刺す際に、爆風で吹き飛ばされた星川結が偶然至近に居るのに気付くのが遅れ、背後から母の形見で攻撃を受け、その隙を突いた亜紀に額を撃たれ敗死した。自身の人生を「虚無」とし、惰性で生きているに過ぎないと言っていた男には結局走馬灯すらなく、事切れるまでの僅かな時で「こんなものか」と感じながら平泉に倒れた。

欧州のくすぶる火種
 特に戦闘経験もなかったが、才能と興味だけで歴戦の兵士と渡り合える様になったイレギュラー。百人の徴募兵を独自に鍛えてもおり、平泉の戦いで一定の成果を挙げた。樹下からはからかい半分に「百人隊長」と呼ばれていた。

「どうでもいいさ。俺にはなんにも無いんだからな」
―寡黙なならず者 イオン・マリカ―

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