2014年12月31日水曜日

アナトリア共和国

新月旗
 西アジア、黒海・地中海・エーゲ海に囲まれた小アジア半島に存在する共和国。国民の多くはトルコ人。

 平均標高900mのアナトリア高原が中央部を占め、山岳は古生代の岩石層から成る。内陸は半乾燥の大陸性気候、海岸は地中海性気候になっている。農業が盛ん。

 北西のボスポラス・ダーダネルス海峡でバルカン半島と対し、古くからアジアとヨーロッパを結ぶ東西交流の舞台であった。世界で初めて鉄器を使用したヒッタイト人が王国を建て、古代オリエント最強の勢力を誇った。一方、西岸のイオニア地方はギリシャ文明に属し、ミレトスエフェソスなどの都市国家が築かれた。サルディスを首都とするリディア王国を経て、ヘレニズム時代にはギリシャ系ペルガモン王国が存在した。

 11世紀になると、中央アジア(トルキスタン)からトルコ人イスラム教徒が移住し、彼らの君主国たるアナトリア セルジューク朝(ルーム セルジューク朝)トルコの領土となり、これを警戒するヨーロッパ諸国の十字軍と戦った。十字軍が内戦を起してビザンツ帝国(東ローマ帝国)を占領すると、その亡命政権であるニケーア帝国がこの地を統治した。セルジューク朝はモンゴル帝国に敗れ滅亡したが、次いでトルコ人はオスマン朝を建国し、15世紀にはコンスタンチノープルを陥落させてビザンツ帝国を滅ぼし、広大なイスラム帝国に発展した。

 第一次世界大戦敗北を機に、君主制廃止・政教分離といった近代化改革を図り、現行の共和国が成立。第二次大戦後はヨーロッパ共同体(EC)に接近するなど、中東の反共拠点になっている。
  • ヒッタイト王国(-18C)
  • イオニア都市国家(-10C)
  • リディア王国(-7C)
  • アッタロス朝ペルガモン王国(-3C)
  • アナトリア セルジューク朝(11C)
  • ニケーア帝国(13C)
  • オスマン トルコ帝国
  • アナトリア共和国(20C)
 なお、12月の誕生石であるトルコ石(ターコイズ)は、この鉱物がペルシャからアナトリアを経由したり、トルコ人隊商によってヨーロッパに輸送されていた事に由来する。また、8月の誕生石サードオニクス(赤縞瑪瑙)は、リディア王国の首都サルディスを語源とする。

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