2014年9月28日日曜日

東ローマ共和国

東ローマ共和国
 バルカン半島北東、黒海を臨む共和国。「ローマ人の地」という意味でローマニア(Romania)などと表記する事例もあるが、西欧イタリア半島のローマ共和国と区別するため、東ローマもしくは古称ダキアが使用される。その名の通り、東ヨーロッパに位置しながらローマ人すなわちラテン系の民族・言語を有する。

 北西からカルパチア(カルパート)山脈が連なり、東西にトランシルバニア山脈、南部にワラキア盆地があり、冬寒夏暑の大陸性気候である。ダキア時代には金・銀や鉄などの鉱物資源が産出した。

 紀元前1世紀に先住民ダキア人の王国があり、2世紀にローマ帝国の属州に併合されたが、ゲルマン民族ゴート人の侵入により、3世紀にはローマの実効支配が及ばなくなった。混乱期の中で、ローマ ラテン人とダキア人の混血が進んでワラキア人が形成され、14世紀にブカレストを都とするワラキア公国モルドバ(モルダビア)公国を建てた。両国は19世紀に、ローマ文明の継承者であるという矜持のもとで東ローマ公国に統一し、次いで王国となった。

 古くから農業国として知られたが、第二次大戦後、ロシアの影響下で共産主義政権が樹立され、独裁的な工業化が進められた。冷戦末期の東欧革命で民主化し、自由主義共和国となって今に至る。
  • ダキア王国(-1C)
  • ローマ帝国ダキア州(+2C)
  • ワラキア公国(14C)
  • モルドバ公国
  • 東ローマ公国(19C)
  • 東ローマ王国
  • 東ローマ人民共和国(20C)
  • 東ローマ社会主義共和国
  • 東ローマ共和国(現在)
 民族・言語はラテン系だが、宗教はほかの東欧諸国と同じく正教会に属する。ワラキア公国時代からの首都であるブカレストは、「東方のパリ」と呼ばれる美しい景観を誇るが、世界大戦・地震・革命の歴史も刻まれている。

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