2013年11月3日日曜日

小田皐月

池村ヒロイチ
聖剣本願

 星川軍将校・親衛狙撃兵連隊小隊長。北武県加須市出身、小田月舟斎(小田顕太郎)の妹。

 北武県住民。明確な支持なく、ただ平穏のみを求めて生きてきた小田家の娘。正義でも悪でもなく、ただただ生存のみに注力して生きてきた家族に疑問を抱き、正義を求めて軍隊の門を叩いた。同様に入隊した兄 小田顕太郎が慣れない前線での勤務に配属され、妹の皐月はこれまた苦手な経理に配属されたのだが、顕太郎が作戦中の負傷で不具者同然になり、結果として兄と交代で前線に異動した。ここで持ち前の勇猛さを発揮して頭角を現し、親衛狙撃兵小隊隊長に昇進。拾い物の西洋剣「バスタードソード」の帯刀を認められ、先鋒として前線に立つ。

 生真面目一徹。甘い物や肉に目がない育ち盛りの少女だが、一応の節度は弁えている。幽霊は怖く、兄のお叱りには半泣きになる、純朴な少女。共産主義の影響も色濃く残る北武蔵の民ながら、上述のように、霊魂を信じ、畏敬と恐怖の念を持つ。また、一向宗徒であり、小隊全員で躍進(旧日本軍でダッシュを掛ける事。ファイアーアンドムーブメントの際に行われる)を行う際に「進めば極楽!」と掛け声を掛けている事も(軍隊は撤退が必要であるので、「退けば地獄」とは言えない)ある。もちろん、真宗の教義を理解したわけではなく、あくまで一般市民の生活道徳を律する程度の、世俗化された信仰である。特に差別意識も持たず、あるがままに(悪く言い換えれば余り深く考えない)物を受け取る真正直で、率直な人格は、明確な思想を持たないながらも人間として社会で生き抜いてきた小田家の父母の教育によるもので、思想や民族意識の暴走の結果起きたあらゆる暴挙には純粋に恐怖と嫌悪、そして怒り程度の感想しか持たない、「平凡」な市民である。

 女性が扱うには重い「バスタードソード」を振り回せる程度には力を持ち、その力を矛と楯として自身を守ってきた。また、自配下の兵ごと親衛狙撃兵連隊に配属されており、その実力と統率力を期待されてはいる。

 歩兵科出身で、ソビエトや中共的総力戦思想やあるいは対戦車戦想定のパックフロント方式に染まった将校や、ゲリラ戦と住民オルグによるサボタージュなど、定石の人民戦術重視を何よりも志向する古参兵が多い中、ある意味新世代の士官である皐月は、練度の高い個々の歩兵による小隊戦術を追求し、先進的軍事思想を研究したがる傾向にある。そのため古参の将兵とは反りが合わない。

 星川初・岩月愛の着ているような肌の露出の多い服は着用せず、星川軍閥の制式服を着用している。私服は比較的タートルネックとチノパンを着用している事が多い。

 茶髪の肩にかかる程度の髪を後頭部に一つ纏めにした髪型。スレンダーな体格ながら、軍隊生活に耐えられるだけの筋力は保持している。星川から授けられた勲章を胸に付け、彼女の外出時は軍として警護に当たる役回り。

 れっきとした日本人なのだが、その見た目や性格は、洋剣を帯刀している事とも相まって、西欧の伝説的な女騎士によく似ていると言われる。

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