2016年3月22日火曜日

週刊『Planet Blue geographia』第2回「死霊の正理と活用」第3回「政府の数・門司式」


メシア暦2016年3月8日(火曜日)

 明日、3月9日は東インド諸島(インドネシア)で皆既日蝕が発生し、日本列島でも部分日蝕が見られるらしい。もっとも、予報では気象条件に不安があるが。

星河亜紀
「晴れると良いわね、明日」

 放課後、私達は校舎の屋上にいた。なぜならば、耐震強度を無視したドS鬼畜的強引告白系「壁ドン」により、壁どころか塾の建物自体が倒壊したからである。私がこの件を、性別不明・年齢不詳の中二病先輩こと橘立花(たちばな りっか)に報告した結果、『建物語(タテモノガタリ)』という某社のパクリにしか思えないタイトルの漫画小説として出版するとの回答を、大韓共和国(韓国)中央情報機関の無料盗聴アプリケーション「高麗線(コリアン ライン)」経由のメッセージで受信した。私はその時、心の底から「どうでもいいよ」と思ったのであった。

十三宮仁
「ねえねえ、ここから大坂城は見えないの?」

 仁さんのこの言霊は、早速企画倒れ寸前だった『建物語』に若干の延命を施すには、あまりにも充分過ぎた。

星河亜紀
「見えるわけないでしょう?貴女、馬鹿じゃないの?」

十三宮仁
「どうして?今度『馬鹿』って言ったら、あっちゃんを刺し殺すよ^^」

十三宮
「…」

星河亜紀
「貴女の目は節穴かしら?せっかく屋上に来たんだから、景観をよく観なさい。関東平野は、周辺を山地に囲まれているの。しかも、ここから大坂に至る視線には、日本アルプス山脈がある。要するに、山が多過ぎて無理よ」

十三宮仁
「そうなんだ!じゃあ、お山様にどいてもらえば良いんだね^^」

星河亜紀
「…あのね、どうやって?レーザー兵器で山脈を焼き融かすつもり?」

十三宮
「学校の屋上から『めぐちゃん砲』を連射する仁さん…あ、悪くないかも」

十三宮仁
「乱暴なのは良くないね。じゃあ、この学校をお山より高くしようよ!」

星河亜紀
「一体何メートルになると思ってるの?ここから大坂までの距離を底辺、山脈の標高を通る斜辺を設定すれば、高さを計算できるかも知れないけれど…」

十三宮仁
「めぐちゃん、もう疲れた…味噌煮込み麺を食べてから、おねんねする」

星河亜紀
「建築費用を調達するには、何を売却すれば…って、ちょっと聴いてる?」

十三宮仁
「みっそにっこみ~♪」

メシア暦2016年3月15日(火曜日)

 あの日々から数年後、天下の情勢は著しく変動した。数多の英雄達が現れては、滅び去った。消費増税を延期せざるを得ないほどの垂直落下式世界大恐慌(原因は忘れた)により財政破綻した三鷹公国は、隣接する武蔵野共和国への侵略を開始、世に言う「武蔵野戦争」が勃発した。瞬く間に国土の大半を三鷹軍に占領された武蔵野政府は、東京同盟に救援を求めた。しかし同盟は、豊島台池袋などを支配するアフィリランド王国の反乱に苦しめられていた。この頃、諸事情(詳細は忘れた)により同盟軍化物係(バケモノガカリ)に任命されてしまった私は、落合隊長・橘立花と共に、栃木人民共和国との交渉に向かっていた…戦闘機で。

十三宮
「本当に宇都宮の連中は味方になってくれるでしょうか?」

橘立花
「そんな事より『バトルフロント(仮)』の新しいイベント、もうやった?」

十三宮
「僕はまだだけど、やった奴はみんな『運営マジで死ねばいいのに』って言ってたよ」

落合航
「ゲームなんかやってる暇があったら、任務に集中しろ」

橘立花
「それより『ボーイズ&タンカァー』の最新刊買った?」

落合航
「愚者めが…戦争は武道でもスポーツでもないと、何度言ったら分かるんだ?」

橘立花
「そんなんだから、猫司令官は恋ができないんだよ…」

落合航
「黙れ。天候悪化により視界不明瞭。やむを得ん、陸路で戦場ヶ原溶岩を突破する!」

橘立花
「ちょ…ちょっと待ってよ司令官!戦闘機で凍結した道路を走るのって、ダンジョンに出会いを求めるのよりも間違っていると思うんだけど!」


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