小惑星の地球衝突は、人類文明に甚大な被害を及ぼした。しかし、生き残った者達は再び立ち上がり、灰塵と化した祖国を建て直し、辛うじて21世紀を迎える事ができた。
その一方で、かの隕石以来、全世界的規模で「異能力者」が激増しているとの情報が流布し、事の真相を巡(めぐ)って、一部の人々の関心を集めている。更に、異能力者を対象とした学園教育機関の存在や、特殊能力を悪用したテロ犯罪への対策、遂には国際組織の関与までもが噂されるようになっている。未曾有の「異能時代」を現出した、二十年前の小惑星、通称「石の魔女」…その悲劇には、一体何が隠されているのだろうか?
そんな異能力を専門的に研究している淑女・能登彼岸(のと ひがん)は、オカルティズムの資料を数多く蔵書する「呪術博物館」に、今日も足を運ぶ。彼女が解読している、絵本のような古書は、人間と悪魔との「契約」を題材にした童話だと云(い)う…。
「悪魔」という概念は、古今東西の様々な宗教・神話・芸術において登場し、ファンタジー作品には欠かせない要素となっている。もし、悪魔が実在するならば、彼らは「人間」をどう思っているのだろうか? そして、悪魔に対して私達が抱いているイメージは、果たして正しいのか? 人界・魔界双方の視点から、人間と悪魔の「契約」の起源に迫る!…そのような視点こそが、「語られざる歴史」への鍵と成り得るのかも知れない。
- 第Ⅰ話「童話 Marchen」(2017/04/03)
登場人物紹介「異能学園と帝國最後の魔女」(2020/04/26) - 第Ⅱ話「神話 mythology」(2017/04/19)※改訂中
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